ご入居者様 ご家族様
早朝から各階のエレベーター前に立つことがあります。
どの階数からもこの時期は、“あか?”“むらさき?”“オレンジ?”色の空に、朝日に照らされながら“まっしろ”の山々が見えます。
ご入居者様からメールをいただき、その文面の冒頭に「早朝、〇階から見える山々のすてきさに感動」と書かれていたり、先日では、ご夫妻で、雪山を眺めながら「あそこに御嶽山があるのだから、こっちの方向でしょ!」と、言い合いされていらっしゃって(笑) お二人のその光景が微笑ましかったりしました。

~ ミソノピアエレベーターホールから見える山々 ~
2月中旬
新潟県燕市にて養護教員をしている長女の下へ、「誕生月のお祝い」「転勤の辞令」ということから、神奈川帰省を変更して、東海環状道路『せと赤津』から、中央道→長野道→上信越道、そして北陸道『三条燕』と車を走らせました。
車を走らせても、走らせても、名も知らないまっしろな雪山はいくつも続いているように見えます。
どこかの国の登山家さんでしょうか?「なぜ、山に登るのか?」その質問の答えに「そこに山があるからだ。」
日本語の解釈はさまざまで、誤解され広まっているところもあるようですが・・・
~山は人生に似ている、ただ一生懸命登ればいい、それが、充実した人生を過ごす秘訣~
登山家の本心は、“エベレスト登山をしたい”ということを指していると言われているようですが。
そのようなことを思い出しながら、新潟県に到着し、いつの間にか麦酒の好みを言えるようになった長女と、
初めて2人きりでの食事をしました。
席に座った瞬間から、関東生まれで関東育ち、雪深き環境についての苦悩ばかりを心配し質問してしまう父親。
あっけらかんと答える長女。そして、転勤先は、新潟県内のもっと雪深いところ・・・とのこと。
“親父”の好きなアーティストのファンの方が運営をされているお店をみつけてくれたのは長女です。
店内には、自分が「成り上りたい」と思っていた十代の頃聞いていた曲が流れています。
長女に「キミは、なぜ、山に登るのか?」となんども声に出ない質問が心に浮かびは消えてしまいます。
しかし、「キミ」に質問して、どんな答えを期待しているのだろうか?とも考えながら・・・
酔いが進み、いつしか「キミ」から「ボク」に対象が変わってきます。
あの頃、思い描いていた「山には登ったのか?」「登っているのか?」と自分自身に問いかけます。
結局、質問せずに新潟県を後にして愛知県を向かいます。
「キミ」の元気な顔をみたおかげなのか、名も知らないまっしろな雪山が、より一層輝いて見えます。
きっと自分には名も知らないまっしろな雪山には、必ず一つひとつ名前があることでしょう。
そして、その雪山に対して、なんらかの思いを寄せている人がきっと存在していることでしょう。
運転しながら、自然に唄を歌っていました♪。
思えば遠くへ来たもんだ♪ ここまで一人できたけれど♪
思えば遠くへ来たもんだ♪ この先どこまで ゆくのやら♪
思えば遠くへ来たもんだ 海援隊(1978年)
2023年3月10日 廣井 健吉

追伸:驚きです!白鳥が、新潟県田んぼにすごい数で群がっていたのです。

~ 新潟県燕市 田んぼに降り立つ白鳥の群れ ~
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