ご入居者様 ご家族様
「ミソノピアは大好きなのですが・・・どうしてもわかり合えない職員が1人いるのです」
胸にささった職員の退職理由の一つです。
2023年1月~9月末 現在、退職者は29名です。その中で、勤続年数が数か月の人数が15名です。
退職理由は、「仲間の職員からのプレッシャー」「評価制度に不服」「理不尽な扱いをうけた」「本業が忙しくなった」そして、家庭の事情と体調不良などさまざまです。
現在、職員の在籍は134名です。
“どうしてもわかり合えない職員が1人”としても、本人除いて残り132名の職員がいます。
自分も含め、この“ミソノピアが大好き”な職員の悩みに寄り添うことがなぜできなかったのだろうか?
どうして“ミソノピアが大好き”な職員が、人間関係で泣くまで悩むこととなってしまったのでろうか?
ラジオ番組で『相性:互いの性格、調子などの合い方は、「好きなもの」より「嫌いなもの」が一致している方が、人間の心理的には実は相性も価値観も抜群に合うという』内容を習ったことがあります。
自分が“怒っている”ことや“不快に感じたこと”“許せないこと”“悲しいこと”に対して同じ感覚を持っている相手だからこそ、深く共感し合えるとのことです。
例えばあなたが、細かい人や作業がものすごく嫌いだとして「新しい上司がものすごく細かい指示を出してうんざりだよね」という愚痴をこぼしたとします。このときに相手も同じく細かい人や作業が嫌いだと「細かく指示されると自分で考えて行動する意欲が低迷するよね」など心からの共感を得られるものとなるとのことです。
これが「細かい指示ってありがたいじゃない、僕は細かい作業も苦痛じゃないよ」などと返されたらどうでしょう?もちろん本人には悪気はないのですが、わかり合えないと感じてそれ以上に話す気をなくすのではないかとのこと。
楽しいことや好きなことを共有できるのも嬉しいし楽しいのですが、悩んだり弱ったり、なんらかのストレスを感じているときの心からの共感には、この上ない安心感や居心地の良さ、味方になってくれるような頼もしさを覚えることでしょう。
そして、嫌いなことが同じだと一緒に嫌いなことを回避できるので我慢や不快感に悩まされる場面が減るとのことです。この「一緒に」ということが大切との事です。
どちらかが我慢を強いられることなく、自然に双方が嫌いなことを回避できる点からストレスにつながりにくいとのことです。
例えば、自分も相手も人ごみや並ぶのが大嫌いだとします。街中を歩いている際に、行列をつくっている人気の飲食店を前にしても・・・並ぶことにストレスに感じるという点が一致しているので、並んでまでお店に入るという選択がどちらの我慢も要さず自然に除外されるとのことです。
実は「自分は嫌いだけど相手が好きだから合わせる」ことに対するストレスは「相手と好きなことを共有できない」以上にはるかに大きいものになるとのことです。
今更ですが、ミソノピアホームの責任者として「施設長としてなぜそれが嫌いなのか」「施設長としてなぜ許せないのか」「施設長としてなぜそこに憤りを感じるのか」ということをわかりやすく具体的に伝達し、職員全員で共有していきたいと考えました。なぜならば、好きなものよりも嫌いなものの中にこそ、人を形成する揺るぎない価値観が隠れていると学んだからです。
2023年10月10日 廣井 健吉
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