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ミソノピアの風に漂いながら

  • kaminn1117
  • 7月21日
  • 読了時間: 3分
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エッセイ



「字」の いろいろ





            kaminn(入居者)





名画モナ・リザを描いた「レオナルド・ダ・ヴィンチ」の名前の由来であるが、 レオナルドの次の「ダ」は「の」という意味であるという。

つまり彼の名は「ヴィンチ村レオナルド」ということになるらしい。




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そこで思い出したのが、中国の「的」という字である。

中国へ出かけると、広告にやたらと「的」という字が使われている。

「的」という字は、中国でも発音は「ダ」で日本の「の」という使い方をする。







ところがどっこい、日本でも「ダ」が「の」であったのダ。

果物 → クダモノ

「果」は「木の上にいくつも実がなっている」ことを表して生まれた字である。

ここでいう「ダ」は「の」、つまり「木の実もの」となるらしい。


毛だもの → ケダモノ

ここでも「ダ」は「の」、つまり「毛もの」が来歴であるのだ。

偶然の一致なのか、異なる三つの国で「ダ」という発音が、おなじ意味に使われていることは面白いではないか。


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さてさて、中国語で奥さんのことを「愛人(アイレン)」という。

だから「私の奥さん」は「我的愛人(ウオ ダ アイレン)」と言うのだが、日本語では「私の愛人」となるのでうっかり使えない・・・


話が変わるが、漢字の成り立ちの代表的なものに「象形文字」がある。

「木」や「山」や「月」など思いつく漢字は多いが、私がことに好きな漢字は会意文字の「美」である。



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」は羊と大を組み合わせてあり、その成り立ちには諸説あるが、私は「オオカミに襲われた羊たちのなかで大きな羊が犠牲になって他の羊を助けるから大きな羊は美しい」という説に心が動かされる。


変わり種では「」という字だ。

この字は「手枷(てかせ)」現在の手錠の象形文字である。

手枷から逃れる意味という説もあるが、昔の罪人に手枷だけですむのは刑が軽いから幸いであるからとしたようだ。




この暑い夏にふさわしい怪談じみたゾッとする漢字の成り立ちを最後とする。

それは「」という漢字だ。

道は「しんにょう」と「首」の会意文字である。

「しんにょう」の原型は「人が歩く様子」を表している。

昔は他の氏族の土地を歩くとき、お祓いのために生首を持って道を歩く習慣があったことから「道」という字の成り立ったという。


  


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                 道の象形文字



しかし道子など道のつく名前はむしろ良い意味や由来を持つ名前として知られている。

「道」という言葉は中国の古典「老子」に由来し、宇宙の変遷や永遠の成長を意味すると考えられ、道のつく名前はポジティブなイメージが込められている。


そう、私だって「命という名の首」をぶら下げて人生を歩んでいるのだ。

やがて命の果てを迎えたときの自分が、歩いて来た人生の「道」をふり返ったときの足跡に何を見るのだろうか。



あとがき

先日映画「35年目のラブレター」を観た。

そのラストで主役の笑福亭鶴瓶が次のように語っていた。


【「辛い」つらいことも、ちょっとのこと(行い・言葉・気持ち)で「幸い」しあわせにな

れるのです】


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2件のコメント


hiroik
7月21日

ただただ感動です

読み終わった瞬間、すーと心に入ってくる文章。とても気持ち良い気分にさせていただきました


ぼくは、「叶う」という字の成り立ちがとっても気になっています(#^^#)

いいね!
諒 牧村
諒 牧村
7月21日
返信先

以下は孫引きです。

「叶」は「協」の異体字で、協は「十」と「三つの力)」を組み合わせた会意文字で、「叶」は「多くの人が力を合わせる」「調和する」という意味を表します。

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