ミソノピアの風に漂いながら
- kaminn1117
- 3月15日
- 読了時間: 3分

エッセイ
薬を逆から読むと
kaminn(入居者)
前回のエッセイ「省略の美学」で人間の手の器用さが、逆に手の退化をもたらすという串田孫一の随想を引用させてもらったが、私は最近の「AI」の進化はそのまま人間の思考力の退化、いやもっと言えば人類生存の危機に繋(つな)がりつつあるという危惧を抱いている。

私はAIによる「ChatGPT」を使ってみて驚いたことがある。
調べたい質問に対して、瞬時にしかもほぼ的を射た答えを導き出してくれた。まるであらかじめ私の質問を知っていてその答えを調べあげて待っていたかのようなのだ。
とんでもないものが出てきたと思うと同時に、これは人間の思考力を奪う発明品だと思った。まるで進化の「逆説」でないか・・・
言うまでもなくAI技術によって人類が受ける恩恵は医療・教育・自動車・金融・食品などさまざまな分野に山積している。
しかし進化には退化が付きものであることを決して忘れてはならない。
AI頭脳は大学の卒論なんかお手のものだろうし、文学の大傑作だって将来生まれそうだ。
しかし現にAIを使った詐欺が多発し、AIで生成した「偽画像」が拡散し、就職試験にAI面接官が出て、アメリカの裁判所ではAI記者を採用したそうな。
「AIを賢く利用して 老後を図々しく生きる」なる本が出版され開いた口が塞がらない。
昨年開催された「G7」でローマ教皇は「AIがもたらす可能性に興奮する一方で、予感される結末に恐怖を覚える」と語っている。
天才物理学者ホーキング博士(2018年没)が、人類はあと100年で滅亡するとした予言が現実化しつつあり、「同時にAIは人類の終焉を意味しかねない」という警告をしていた。


SNSは世の中の暮らしを激変させるなか、オーストラリアでは16歳未満はSNSの使用を禁止とした。言うまでもなく、成長期の子たちにとって害多きツールであることは誰もが認めるところでもある。
AIはまだ始まったばかり。
この先進化し続ける「AIは人類の脳力の退化」どころの話では治まらないだろう。
シンギュラリティ(技術的特異点)という言葉がある。
これはAIの知能が人類を超える日を指す。
現時点で予測されているスピードでAIが進化を続けた場合、AI知能が人類の知能を上回ると見込まれる瞬間点のことで、その年は「2045年」といわれている。
なんと、あと20年後なのだ。
AI技術の進化で最も恐ろしいのは、人工知能が人間の制御を離れ、自己進化を続けることだ。将来AIがさまざまな情報を収集し、人類が地球を滅ぼす悪とみなし敵に回すことが起きかねないのだ。
やがて人と寸分変わらない姿と心を持ったAI人間が街中に現れるかもしれない。
これはSFの世界の話ではない。


現在でも人類は地球を沸騰させ、人もイキモノも地球に棲めなくなる方向に向かいつつある。
世界の国々で目先の国益に奔走して人類の将来をないがしろにしてはならない。
せめて「AI頭脳が神に代わって」人類をよき方向に正してくれることを希(こいねが)うしかなくなる時代が来るのか。


「クスリ(薬)を逆から読むとリスク(危険)になる」
AI時代の到来を迎える今、人類の知恵が正しい方向へ向かうことを希求する。
【魂の無きAIに短歌(うた)詠ますこれぞ悲しき玩具ならずや】
中日歌壇 2025.1.5選 久米すゑ子(犬山市)
文頭の写真は「風の電話」
【動画】 ※最後のサムネイル写真は無視を。
「風の電話」2025.3.7 NHK時をかけるテレビ より
岩手県大槌町に個人が設置した「電話ボックス」。
東日本大震災で亡くなった人たちに、スマホ(デジタル)ではなく電話線のない黒電話(アナログ)で亡くなった人を呼びかけ話をする人たちが現在5万人を超えている。
日本の社会では今、昭和のよき時代の「歌謡曲」や「暮らし」が見なおされはじめている。
訪れたことはないのですが・・・・
和歌山県高野山では、「空海には一日2回の食事が運ばれている」
そう、1200年もの間、空海(弘法大師)さんが、今でも瞑想されているという話
自分は、『このことこそ』・・・手を合わせて、心から感銘する人間でいたいです